完全に自分のペースを掴んだ僕は自分のビジネスのマーケティングのため、運転代行だけでなく運転請負の経験も積むことを思いつきました。
運転請負というのは、折りたたみ電動バイクを使った運転代行業の事です。
探した結果、隣町に運転請負の会社がある事がわかったのでその会社に応募したところ、面接を兼ねた説明会が実施される事になりました。
面接会場である路上に着いたところ、予定通り21時から面接が始まりました。
運転請負業であるその会社のやり方は、こんな感じです。
①折りたたみ電動バイクでお客様を迎えに行く
②お客様の車に、折りたたみ電動バイクを積み込む
③そのまま、お客様の車を運転し、自宅まで送り届ける
僕はこのやり方をYouTubeで知ったので丸パクリしてやろうと考えたのです。
正直に生きなければ気が済まない僕は、自分のビジネスのために業界の経験を積もうと思っている事を伝えました。
そうすると社長は僕にフランチャイズの話を持ち掛けてきました。
会社の看板を毎月3万円で貸してやるからそれで商売をやってみないか?との事でした。
僕が思うにビジネスの一番楽しい部分ってスタートの部分だと思うのです。なぜ、極上の部位を取り上げられた挙句、看板を借りるだけで月に3万円も支払わなければいけないのか。
馬鹿げています。当然、やりません。
正直に生きなければ気が済まない僕は社長に、前向きに検討する事、さらに週の3日間を従業員として働きたい事を伝えました。
電動バイクの畳み方、クルマへの積み込みの仕方、運転の仕方を教わった僕は3日後から仕事を始めることに決めました。
3日後、時間通りになっても社長が現れないのでLINEをしました。
「お疲れ様です。前回の面接場所に到着したのですが、どうすれば良いですか?」
そう聞くと向かいのテナントビルのスナックのドアが開いて、社長は中から折りたたみ電動バイクを持って出て来ました。どうやら、そのスナックを事務所として間借りしているようです。そしてなんと、お客様から既に注文が入っていて僕が対応する事になっているようです。
一瞬イラっとしたのですが怒りを鎮めます。
急いで準備をしている僕に対して社長はさらに「業界のルール」を説明してきます。
従業員は皆、マイカーを拠点にしてお客様からの依頼に対応している、と言うのです。3日前の面接の時にはそんな話は聞いていません。さらにイライラが蓄積します。
僕は、「自分のクルマを使わないと厳しい仕事ってことですね?」と聞きました。
奴は、「違います。その方が効率が良いという事です。」と答えました。
バカが屁理屈をコネてきます。
めんどくさいパターンです。